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生活苦について

生活苦というのは人間にとって本当に良くないことです。生活が困窮してくると、精神的にも困窮してしまいます。かつて、家が貧しくて施設に入っていた人が大人になってから言うのには、子どもの食べるものを、働いていた人たちが勝手に食べてしまい、子供たちが飢え死にしかかったというものでした。
15,6歳の、普通で考えればまだ高校に行っている年齢の子供の稼ぎをあてにする親もいます。最近は、多少少なくなったかも知れませんが、ひと昔前にはそういうことがありました。誰もが能力や努力次第で、人並の生活をする権利があると声に出したり、行動するようになって、だんだん困窮の連鎖から解放される人が増えてきました。私は、両親共働きの家庭で育って、生活苦に喘いでいるという感じではありませんでした。習字や算盤などの習い事もしていました。衣食住にも不自由しませんでした。しかし、クラスの中に服装の汚れた子がいて、多少目立っていました。その子の家は両親が病気がちで、お風呂も毎日入れないようでした。まさに「生活苦」です。その子は間もなく引っ越したので、その後どうなったのかわかりませんが、今普通の生活が出来ているといいと思います。誰でも、能力次第で人並の生活ができるというのはとても良いことです。しかし、厳しい現実と向き合わなればなりません。いつでも誰でも「生活苦」に陥る可能性があるのです。病気も事故も、怖いです。
皆がお金にしか目が向かなくなるのも仕方ないことです。しかし、人間らしさを失いたくありません。
今、連帯とか人の繋がりを重視するようになっていますが、結局人間は人間とつながるしかないということでしょう。ロボットは人間の道具にはなれますが、友達にはなれないのです。人間の不安を、連帯や繋がりで、軽減しようというのは当然の成り行きです。それでも、リストラや倒産はなくならないですが、生きることをあきらめなければ道はまた開けるような気がします。

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